長崎県を拠点にロードサービス事業を展開する株式会社長崎ロードサービス(以下、長崎ロードサービス)。レッカー車を中心に40台を保有し、スタッフ13名24時間365日体制で出動対応を行っている。
長崎ロードサービスは全日本高速道路レッカー事業協同組合からなる災害支援ボランティア隊に参加し、宮城県気仙沼市の復旧作業に参加。その惨状を目の当たりにして、会社の資産であるデータを社内サーバに保管しておく状況を懸念。
顧問税理士にデータ保管について相談したところ「キントーン」を薦められた。
お試し版で触ってみたらすごく簡単な操作でデータベースができました。まずは、Accessにある顧客や売上データを入れていって万が一の時のデータバックアップ目的で使用していました。(導入担当:町田氏)
※長崎ロードサービスは2012年1月からキントーンを利用している。(キントーン自体のサービス提供開始は2011年11月)
町田氏は、長らくバックアップ目的でキントーンを利用していたが、『kintone hive(キントーン ハイブ )』(※キントーンユーザーの事例登壇イベント)で他社の活用事例を聞き、紙やメールで対応している「指示書」もキントーン化できるのでは?と思い立った。
ロードサービス業務では、出動要請の電話をオペレーターが受けて、保険会社や現場の住所、お客様の名前、車種などをヒアリングする。そして、その内容を「指示書」に記載し、出動スタッフに渡す。
作業後には、出動スタッフが指示書から一部内容を転記しながら手書きで報告書を作成する、という業務の流れになっている。
紙で指示書を渡すと、作業中に紙を紛失して個人情報流出インシデントになるリスクがありました。保険会社は個人情報管理に厳しいため、電子化してリスク低減を図りたいと思っていました。また、作業後の報告書も作成に15分~20分かかっており、作業で疲れているスタッフの事務作業軽減もできたら、と考えました。
町田氏は、すぐにサイボウズ福岡オフィスの「導入相談」に申し込み。導入相談で実現方法などを聞いた上で、適宜カスタマーサポートも利用しながら「指示書」アプリを作り上げた。
出来上がった指示書はすぐに運用に移すことができた。
受電したらキントーンを開き作業に必要な情報、担当するスタッフを入力する。この時、工夫した点は「電話番号」をリンクフォームにした点と「地図URL」だ。
スタッフは作業指示をスマホで受け取り、電話番号をタップするだけでお客様に電話ができる。地図URLをタップすると現場までのルートを確認できる。
今までの紙の指示書から電話番号を手打ちしたり、ナビに住所情報を入れたりするという手間も省けるようになった。
指示書アプリには帳票サービス「RepotoneU Excel」(※株式会社ソウルウェアが提供するキントーン連携サービス)を使用。
作業後にはボタンをクリックするだけで、作業指示書の内容が自動反映された報告書が出力される。あとは料金などの追加情報を入力する2分ほどの作業で完了するようになった。
平均1日30件対応とすると、今まで7時間以上かかっていた事務作業を1時間に短縮できたことになる。
通常、新たなシステム導入となると現場からの反発なども起きやすい。ただ、町田氏には導入の苦労はなかったという。
現場が楽になるようなシステムじゃないと使ってもらえない。事務方が楽になるのは二の次で、まずは現場の業務改善を第一に考えました。
その目的通り、業務量が明らかに減るこの提案はすぐに現場に受け入れられ、現在ではコメント機能を利用したやり取りも活発に行われている。
もちろん、事務方も転記作業が減り、手書きで読み取れない内容を確認するといった作業もほぼ起きなくなっている。
実は、今でも売上だけはAccess管理を続けている。Accessでは主にアシスタンス会社ごとの売上データ管理と入金消込を実施。
ただ、キントーン上にも売上データはあるので、現在はRPAを用いた消込確認や基本に立ち返りcsv入出力による管理ができないか模索をしている段階。
2023年はキントーンをやる年!と定めて取り組んでいく予定だという。(昨年は「漢方をやる年」だったそう)
ロードサービス業界は、この20年でビジネスモデルが一変。
以前は95%以上警察の要請に応じて出動していたというが、今では保険会社提携のアシスタンス会社と提携して95%の出動がアシスタンス会社要請となっている。アシスタンス会社は民間企業であるため、ロードサービス側もサービス品質や出動率を高めていくことを求められている。
ロードサービスの品質対応向上のため、町田氏は日々業務改善を進めていく。