教育委員会でのデジタル化が話題となっている三島市。
「ノーコード宣言シティープログラム」に参画し、kintone活用を進めている伊豆市。
「自治体まるごとDXボックスプログラム」を活用し、全庁でkintoneを導入した伊豆の国市。
この3市が合同で、役所業務改善のためのDX人材育成研修を、4か月間(全5回)にわたり実施しました。
今回の研修には、各市の若手職員 合計28名が参加し、自身が担当する業務のデジタル化に取り組みました。実際にkintoneアプリを作成し、研修終了後には庁内での実装を目指す内容となっています。
最終回では、各市の代表者が所属する市長やCIO補佐官の皆様に向けて、業務改善への決意表明を行いました。
本レポートでは、研修の実際の様子や受講者の声をご紹介しています。
同様に、庁内での業務改善やkintoneをテーマに研修の実施をご検討されている皆様にとって、少しでも参考となれば幸いです。
※弊社が自治体様に対して直接的に研修支援を実施するケースは多くありませんが、今回は3市合同による先進的な取り組みであることから、特別に有償にて対応させていただきました。
■開催の目的
本研修は、kintoneアプリ作成スキルを身につけるだけでなく、業務改善を継続的に実践できる人材の育成を目的としています。
また、市を跨いで合同で実施することで、各市が開発した業務アプリをお互いに共有し、3市全体で市民サービスの向上につなげることを目指しています。
■研修方法
対面開催とし、各市の市庁で実施しました。
■内容
研修の全体像は、下記の図の通りです。
各回3時間と長時間の研修ではありましたが、振り返ってみるとどの回もあっという間に過ぎ、業務改善に向けて思考を集中するにはちょうど良い時間だったと感じています。
各回で学んだ内容を、自身の業務改善活動へとつなげていくプログラムとなっています
<第1回:他自治体事例と改善ノウハウ>
初回は、他の自治体がどのようにデジタル化やDXを推進しているかを確認し、自分の業務をどうしたいかを考える回としました。
他自治体での具体的な業務改善の取り組みを知ることで、今後のkintoneアプリ作成のヒントを得ていただきたいと考え、講義を実施しました。
また、その後の業務改善ディスカッションでは、サイボウズの「問題解決メソッド」を参考にしながら、自身の業務における「理想」と「現実」を整理し、効率化にチャレンジしたい業務をリストアップしました。
<第2回:業務改善着手、第3回:業務改善の地図づくり>
第2〜3回は、1回目で整理した情報をもとに自身の業務のアプリ作成に取り組みました。
kintoneの環境上で、それぞれが試行錯誤しながらアプリを構築しました
自分自身の業務だからこそ、自然と力が入る時間でもあります。
また、単なるデジタル化にとどまらず、複数の部署を巻き込んだり、関連するデータの取り込みが必要になるケースも多いため、効率的で誰もが使いやすい方法を真剣に考える時間となっていました。
アプリ作成においては、改善前の業務の流れ、改善したい課題、改善後の業務の流れなどをkintone活用効果測定アプリに事前にまとめておき、改善効果を定量的に測定(測定が難しい場合は見込を記入)しました。
※kintone活用効果測定アプリは、kintoneのサンプルアプリとして提供されており、お手持ちのkintone環境でもすぐにお使いいただけます。
<第4回:各市庁の理想検討>
第4回では、各市長に向けた最終発表の準備をしながらも、自分たちの職場・役所をどうしたいかという上位の理想を考える時間も設けました。同じ役所のメンバーで同じ理想(目標)を持つことが、今後業務改善を進める上で、周囲の共感を得るために必要であるためです。
発表準備を行う伊豆の国市職員の皆様
<第5回:成果発表会>
各市の代表者からは、市長やCIO補佐官の皆様に向けて、実際にメンバーが作成したアプリの紹介や、今後のDX推進に向けたビジョンについて発表が行われました。
発表では、各自治体職員の皆様からDXへの熱い想いが語られ、市長やCIO補佐官の皆様からも前向きなコメントを多数いただくなど、大変意義のある会となりました。
発表を聞く市長、CIO補佐官の皆様
三島市職員の皆様によるご発表
■受講した各職員の方々の声(一部抜粋)
・沼のように奥が深く、まだまだ知らない機能ややり方を探すことができる点が面白い。
・自身の業務をより改善できるものがあるのかもしれないですが、アプリを活用することで改善できる課題の発見そのものに難しさを感じています。
・基本的なアプリの作成については、感覚的に作成できて大変作りやすいです。 プラグインが必要なものについては、操作が難しそうというのが率直な意見です。
■最後に
今回のように、自治体の枠を超えた合同研修は珍しい取り組みかもしれませんが、隣接する市同士だからこそ、平時からの連携や協力体制の重要性をあらためて感じる機会となりました。
また、共通のツールを活用することで、自治体間でノウハウが共有され、その輪がさらに広がっていくことを期待しています。
サイボウズとしても、自治体様向けにこのようなプログラムを提供するのは初めての試みでしたが、各自治体様のDX推進に少しでもお役立てできていれば大変嬉しく思います。
本記事が他の自治体様での取り組みを進める際のヒントになれば嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。