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kintone1年間無料キャンペーンインタビューvol.1 内製”おくやみ窓口システム”と庁内DX(静岡県裾野市様)

kintone1年間無料キャンペーンインタビューvol.1 内製”おくやみ窓口システム”と庁内DX(静岡県裾野市様)

サイボウズが、2023年5月より開始した「キントーン1年間無料キャンペーン」。

参加いただいた自治体の一つである静岡県裾野市様ではkintoneを活用し様々な業務成果を上げています。

kintoneを用いた業務改善の手法について、裾野市業務改革課の河合正彦部長と中原義人係長にお話を伺いました。

【裾野市のご紹介】

約5万人の人口を有し、職員数(総務省が公表する最新の「地方公共団体定員管理調査結果」に示されている、一般行政部門(一般管理+福祉関係)の職員数)約300名。静岡県の東、富士山のふもとに広がり、東には箱根外輪山、西には愛鷹連山と豊かな自然に囲まれた工業のまちであり、「日本一市民目線の市役所」を目指し、DXを推進している


左から河合部長、中原係長


1. 裾野市様における、ここ数か年のデジタル化計画

裾野市においては、令和5年7月に「裾野市DX方針」という、いわゆるDX推進計画を策定し公表しています。基本方針としてDXで市民満足度の向上と職員業務効率化の両輪を加速させることを挙げていまして、「あなたの時間をあなたのために」「職員の時間は市民のために」という旗印のもと、市長の掲げる「日本一市民目線の市役所」を目指した職員マインドにデジタル化のエッセンスを加えています。

期間はおおむね3年として、それぞれの年度をフェーズ分けして「基盤整備や実証実験のStep0」、「業務改革を進めるStep1」、「実装して実感できるStep2」という段階を進めていき「市民目線でのサービス改善」と「業務効率化による工数削減」を目指しています。

それに基づき2023年度は「Step0」にあたる、庁内のWi-Fi、端末といった基盤整備がおおむね完了し、会議なども紙ベースから脱却することができました。

副市長がCIOとしてトップダウン的に改革を推進してくれていることで、庁内への周知等もやりやすい状況です。ITに不慣れな職員も、随時サポートをするよう心がけています。

裾野市DX方針

2. 「kintone1年間無料キャンペーン」への参加について

kintoneについては、実際に利用している自治体職員の声などを伺っており、もともと興味はありました。

ただ、kintoneの特性である、「いろいろなことに使える」というのは、反面何をしたらいいのかわからないという側面もあり、1ヵ月間の無償トライアルなども試してみましたが、なかなか本腰を入れて取り組めないような状況でした。

そんな折、「1年間無料キャンペーン」の告知が届き、“講座方式で学びながら、困ったことはコミュニティでサイボウズや他の自治体に質問できる”というキャンペーンの特性が、kintoneを基礎から訓練ができる場としてとても魅力を感じました。加えて、コストメリットやトライアルできるプラグインが多数にあるといった点が決め手となり、参加しました。

キャンペーンに参加してからは、まずPCを利用している職員全員のアカウントをkintoneに登録しました。これは、利用範囲を職位や職責によって狭めたトライアルにならないようにするためです。

ただし、開始時には我々にも全く知識がないので、庁内展開に当たってはキャンペーン内で提供される学習コンテンツ「キンゼミ」を数回受講してからとなりました。

「キンゼミ」では業務改善対象とするテーマを決めますが、そのテーマとして今年開始することが決まっていた「おくやみコーナー」を実現するためのツールの実現を挙げました。

「おくやみコーナー」に着目した理由としては、多くの人(市民、職員)にポジティブな影響を与える施策であったことと、ワンストップ窓口の実現、というのは政策的にも2023年中を目指しており、オンライン申請の件数を増加させたい背景もありました。

キンゼミ
キャンペーン内でサイボウズが主催する、Web講座型のkintone学習コンテンツ



3. おくやみ窓口システムについて

「おくやみ窓口システム」はプロトタイプの庁内展開を11月、本格運用を12月とし、作成をスタートしました。運用開始前に機能や運用方法について、実際に業務に関わる職員のオペレーションも含めて何度も検討を重ねました。

アプリ作成の進め方についても非常に効率的だったと感じており、実際に若手・中堅職員を中心に、アプリを画面で見せながら、作成しました。その上で、11月の段階で寄せられたフィードバックを反映したことで、12月1日に開始する時点ではよりクオリティの高いシステムをリリースできました。

業務に関わる職員と一緒にシステムを構築することで、建設的な議論が生まれ、自分の業務をどうしたら改善できるかという視点で意見をもらうことができました。実際に寄せられて初めて気がつくような意見も多かったです。

今回のシステムについては、業務改革課が主導して作成しましたが、この取り組みから、職員がkintoneに興味を持って、「やってみようかな」と使用するような流れもありました。

裾野市様公式note「広報すそのオンライン」にて、作成したおくやみ窓口システムの詳細をご紹介いただいております。
https://susono-city.note.jp/n/n7fdd1d02e650


4. その他、kintoneで実現したいシステムについて

「おくやみ窓口システム」以外にも、防災訓練を実施した際、各地区で起こっている災害の状況報告を時系列でまとめていきたいという要望がありました。それまではExcelで運用していたことから、同時編集ができないデメリットがあったのですが、それをkintoneで素早く作成できたことで、kintoneの利便性の高さを感じました。

実際にこのシステムは運用せず、本運用には別途専用システムを導入する見込みですが、そういったシステムの要件定義を行っていく上でも、実際にkintoneで一度システムを作っていると、必須要件の整理などが非常に行いやすいと感じました。

その他実運用を検討しているシステムとしては、例えば、公用車管理、休暇・時間外勤務管理台帳などです。これらのシステムは、現在各原課との調整を進めている段階です。

将来的には、事務事業評価事例のアプリにも着手したいと構想しています。これはWeb上にある他自治体の事例から魅力を感じたシステムで、こういった様々な事例を見られるのもkintoneのメリットの一つであると感じます。

その他、現在Excelで行っている業務をkintoneに移行したいと考えています。Excelでマクロを組んで表を作るのではなく、kintoneなどのツールを有効に活用し、属人性を無くしてクラウドベースで情報を管理することが望ましいと考えています。



5. 人材育成と庁内への展開について、工夫している点

庁内でkintoneを構築できる人材を増やしていく必要は感じています。

結局人を育てていかないとDXは推進できない、という意識があり、熱量のある職員から少しずつ育てていって、熱が伝播していき、少しずつ市民サービスが向上できれば理想的だと考えています。

まずは、職員にkintoneが業務で利用できることを実感してもらうために現在は、2〜3個、別のアプリで、同じプラットフォームを使っているのに全然違うことができるな、自分の業務もkintoneで改善できそうと実感してもらうことを意識しています。

現在徐々に相談も増えてきており、業務課題を持ってきてもらうパターンが多数を占めていますが、職員側でアプリを作成する過程で、アドバイスを求められるパターンも少しずつですが出てきています。

昨年には、kintoneに興味のある職員と1on1のような形式で庁内向けの勉強会のようなことも一度実施してみました。今後はこういった取り組みも充実させていきたいです。

また、そもそもの使いやすさの前提として、「民間企業と同等のサービスレベルで提供できること」を目標に、庁内のWi-Fi環境の整備や持ち運びしやすいPCの配布、出先機関・外部施設のネットワーク回線の増強などの整備を昨年から進めていました。

 便利に使えるはずのツールを広げるのに、インフラがネックとなって、その便利さが伝わらずに風化していくことは防ぎたいと考えました。基盤整備を進めた結果、市民サービスの向上に一気通貫で繋がると考えています。

運用面で工夫した点としては、例えば先述の「おくやみ窓口システム」にて、kintoneスペース上に「機能要望」「エラー報告」「運用の相談」の3つのスレッドを準備し、職員からの声を拾い上げやすい環境を作っています。これによって、かなりの機能改善を図っており、要望を挙げてくれた職員も「使えるツール」である認識がじわじわ広がるようにしています。


6. キャンペーンに参加してよかったこと

 基礎的な使い方や、プラグインとの連携方法など、「何ができる」ということの解像度が上がっていくことがとても良かったです。またkintoneだけでなく、かなりの種類の拡張機能(プラグイン・連携サービス)がトライアルできたことも、最終的にkintoneが使えると判断するための要素として大きかったです。やはりkintone単体でできることは限られており、補完する拡張がなければ、実現できないものもあるので、そこを試せたのは大きいです。

また、キャンペーン以外でも、行政職員限定コミュニティ会員サイト「ガブキン」などの半オープンなコミュニティでのやり取りや、ガブキン内のコンテンツである「自治体kintoneずかん」のようなユースケース集など、豊富な情報収集場所があったことも良かったです。

ガブキン
行政職員限定のキントーン公式ユーザーコミュニティ。自治体・省庁の職員であれば、キントーン導入有無に関わらずどなたでもご参加いただけます。詳細は次のページをご覧ください。


7. 他のサービスと比べ、kintoneの優れている点

 最終的にデータを取りまとめるような種類の業務は、kintoneが向いていると思いました。グラフや表などがダッシュボード的に表示できるので非常に便利です。また、クロス集計もできることで、現状どうなっているかを知りたい業務においてはかなり便利だと感じました。

現在我々が取り組んでいる、BPR(業務プロセスの再構築)では、内部で議論するなどして、業務フローのトライアンドエラーを繰り返しています。それに当たって、既存のパッケージアプリケーションだと、業務フローの再構築に向かない場面がありますが、kintoneは業務の再構築のフェーズにおいては非常に優れていると思います。一方で、「作った人しかわからない」という属人化とのトレードオフはありますが、その点についても「ノーコード、ローコード」というところで、ある程度ハードルが低めに設定されていますし、困ったらガブキンで質問や相談をすることもでき、他にも参考になるネット上のドキュメントも豊富にあるため、かなりのことが解決できると思います。

あとは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に対応していること。これも行政としては心強いステータスです。


8. kintoneを活用する上で、課題に感じること

行政特有のネットワークの分離というものがあります。環境の異なるネットワーク間のデータのやり取りは簡単にはできませんが、それ以外については、基本的に大きな課題は感じていません。基本的にはインターネット系で利用していますし、仮想ブラウジングでフル機能を使えています。



9. 今後の計画について

 kintoneに限らない話なのですが、DXの推進は人材育成がセットで必要だと思っています。どんなに素晴らしいシステムを入れても使うのは人間ですし、それを良くしていくのも人間なので、しっかりと人を育てるよう職員研修を通年で実施しています。

 情報収集と自庁外とのコミュニケーションを面倒くさがらず行い、まずは裾野市DX方針の取り組みに注力していきたいと思います。


10. 行政DXにおいて、課題に感じること、他の行政職員へのメッセージ

 以前の我々もそうだったのですが、現状デジタル化をしなくても困らないこともあると思います。デジタル化を進めて一足飛びに楽になることのほうが少ないので、しっかり業務を再構築して、数年後に困りそうなことにスコープを当てて、行政DXに取り組んでいこうと思っています。

 業務改革の分野は、kintone1年間無料キャンペーンなども含め、とにかく面白がって色々なモノにかかわっていくことが、結果的に市民サービスの向上や、職員の業務効率の向上につながると思っています。

 また、DXの推進については、都市間競争の材料に使わずに、困りごとを助け合えるような取り組みになっていくといいと思っています。



おわりに

キャンペーンも残り数ヶ月となりますが、ご参加いただいている自治体の皆様におかれては、引き続きよろしくお願いいたします。今回のインタビューが、kintoneのさらなる活用のヒントとなれば幸いです。また、今回のインタビューを通じて、私たちサイボウズも「働きやすく住みやすい街づくりの実現」に寄与できるkintoneの魅力に、改めて気づくことができました。

サイボウズでは2024年度も「キントーン1年間無料キャンペーン」を「キントーン1年間無料 自治体DX応援プログラム」に改称の上、更にバージョンアップして開催いたします。kintoneを活用したDXの推進を検討されている自治体職員の皆様は、ぜひ奮ってご応募ください。

キントーン1年間無料 「自治体DX応援プログラム」
所属する自治体の全職員でキントーンを1年間無料でご利用いただけるプログラム、2024年度のご応募がラストチャンスです。詳細は次のページをご覧ください。


私達が伺った日は天気も良く、庁舎の前から大変美しい富士山を見ることができました。裾野市役所の皆さま、ご協力いただきありがとうございました!