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kintone1年間無料キャンペーンインタビューvol.2 市独自の「kintoneずかん」を作成、キャンペーンを最大限活用し進めた庁内DX(大阪府大阪市様)

サイボウズが、2023年5月より開始した「kintone1年間無料キャンペーン」。

参加いただいた自治体の一つである大阪府大阪市様は、数か年に渡るローコード/ノーコードツールの活用検討を進めながら、キャンペーンをタイミングよく活用することにより、相乗効果的にkintoneの活用を推進されています。

kintoneの効果的な推進方法について、大阪市デジタル統括室の中道忠和課長、山本早紀課長代理、高野涼係長、山原万冴彦さんにお話を伺いました。


【大阪市のご紹介】

約277万人の人口を有し、職員数(総務省が公表する最新の「地方公共団体定員管理調査結果」に示されている、一般行政部門(一般管理+福祉関係)の職員数)約1万5千人、古来より水の都として知られ、花と緑、歴史と文化、芸術やスポーツなどにふれることができる、快適で魅力あふれる政令指定都市。大阪市DX戦略の推進により、大阪市で生活、経済活動を行う多様な人々がそれぞれの幸せ(Well-being)を実感できる都市への発展を目指している。


左から山本課長代理、中道課長、高野係長、山原さん


1. 大阪市様における、ここ数か年のデジタル化計画

 大阪市においては、「2040年頃までに実現したい未来の姿」を描きながら、今後の取組方針の根幹となる戦略を表現した「Re-Designおおさか~大阪市DX戦略~」、および具体的な取組計画を表現した「Re-Designおおさか〜大阪市DX戦略アクションプラン〜」を2023年3月に取りまとめの上、公開しました。

大阪市 DXの推進

 この戦略及びアクションプランにおいて、「システムの内製化によるBPR推進」として、ノーコードツール(kintone)の活用を具体的な取り組みとして掲げています。


2. 「kintone1年間無料キャンペーン」参加の背景

 従来から大規模組織内でのExcelやメールを利用した非効率的な業務手法や、マクロ等のツールの属人化により人事異動後のメンテナンスが困難となってしまうといった課題を感じていました。それを改善するためにノーコードツールによる内製化を目指し、具体的に進めるにはどういったツールがいいのか、2〜3年かけて他のローコード/ノーコードツールなども含めた製品調査や活用を検討していました。その結果、kintoneの直感的なわかりやすさ、使いやすさからくる学習コストの低さ、自治体向けコミュニティの存在などによるフォローの手厚さなどを大変魅力に感じ、2023年度からのkintone導入に向けて、運用に関するガバナンスの検討や整備、活用業務の検討などを行っていました。

 そのような状況の中で、折よく本キャンペーンの案内があり、応募させていただきました。


3. 「kintone1年間無料キャンペーン」、ここまでの取り組みと展開

 キャンペーンの検討以前は、少ないライセンス数でのスモールスタートを考えていましたが、キャンペーンを活用することで、全職員を対象に希望者全員がkintoneを利用できるような運用方法に変更し、2023年6月から本格運用を始めました。

 昨年度の企画・検討フェーズの段階から、管理者の設定、マニュアル作成、セキュリティ体制整備などに関する一定の計画があったため、若干の方針の見直しのみでスムーズに活用をスタートすることができました。

 このあたりの下地の整備においては、サイボウズ社が公開している「kintoneガバナンスガイドライン」が大変参考になりました。

kintoneガバナンスガイドライン
kintoneを利用している企業や団体が、状況に応じたガバナンスを構築するときの参考になるガイドラインです。詳細は次のページをご覧ください。

 kintoneを職員に触れてもらうためのきっかけづくりとして、まずは5月から6月にかけて少人数の体験会を複数回実施し、合計で160名程度に参加いただきました。その後はkintoneの導入やアプリ開発の相談を随時受け付けながら、デジタル統括室職員によるアプリ開発の伴走支援等を行っています。


4. 庁内展開を進められる上で、苦労されたポイント、及びそれに対する取り組み

 やはりトライアルとして体験してもらった職員が、そのまま継続して本格的な利用まで繋げてもらうことはなかなか難しいと感じています。上記体験会後にも、kintone導入前やアプリ開発時の相談会を随時実施することでその部分をフォローしています。また、秋頃には庁内向けの広報にて、アプリの作成事例を掲載しました。サイボウズがガブキンで公開している「自治体kintoneずかん」を参考に、大阪市独自の「kintoneずかん」を作成し公開するといった庁内での気運醸成に向けた取り組みも行っています。

 また、活用が広がらない部署に対し、デモや支援ができる職員を派遣して案件が創出された実績もあります。主に台帳管理系の業務に対し、kintoneへの移行(リストや台帳の置き換え)を提案することで、活用を促しています。



5. キャンペーンに参加してよかったこと

 当初は100ライセンスのみの導入でスモールスタートしていこうと考えていましたので、現況まで広げることは難しかったと思います。大阪市は区役所や局といった所属が50程度あり、その下に課や担当が800近くあるため、単純に課長だけでも800人分のライセンスが必要でした。今回キャンペーンに参加したことでその点を気にすることなく、全庁的に利用するアプリの検討を進めることが可能となりました。

 また、機能拡張サービスについてもトライアルができたため、導入検討を進めることができました。


6. プラグインや連携サービスの活用状況

 機能拡張サービスについては現在、フォームブリッジ、kViewer、プリントクリエイターを利用しています。

 また、キャンペーンによるトライアルでgusuku Customineを利用中です。gusuku Customineについてはキャンペーン参加前から認知していましたが、キャンペーンによってトライアルできたことにより、次年度以降も継続利用する方針を決めることができました。


7. 他のサービスと比べ、kintoneの優れている点

 ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作のみでアプリ開発ができるため、現場の職員が利用するハードルが低いと感じました。

 ガブキンやパートナー企業のサイトも含め、アプリ開発で困った際に役立つ情報がインターネット上にたくさん掲載されているのも良い点だと感じています。

ガブキン
行政職員限定のキントーン公式ユーザーコミュニティ。自治体・省庁の職員であれば、キントーン導入有無に関わらずどなたでもご参加いただけます。詳細は次のページをご覧ください。


8. サイボウズに期待すること

 庁内展開を進めるにあたって、ガブキンで開催されているkintone勉強会や、ガブキンでの学習コンテンツなどを活用させていただいています。

 一方で、kintoneの基本機能の充実は更なる利用拡大に繋がると感じているところです。例えば、カラーリングなど一覧やフォームのUI変更についての利用者からの声も聞いており、もう少し柔軟に設定できるような機能ができたら望ましいと思うので、今後のアップデートに期待しています。


9. 行政DXにおいて、課題に感じること、他の行政職員へのメッセージ

 現在行っている業務のやり方、運用に課題があると多くの職員が感じているところはあるものの、どのようにDXを進めていけばいいのか分からず、改善が進んでいないケースは多いです。

 kintoneは、誰でも簡単に利用できるツールのため、まずは多くの職員に知ってもらう、触ってもらうところから始めてもらう。そして、トランスフォーメーション(X)のあるべき姿に近づくためにkintoneを利用することができると伝えていき、業務でのデジタル活用という段階から、徐々にステップアップしていけるような取り組みを考えていきたいと思っています。


10. 今後の計画について

 キャンペーンの利用により、結果的に当初想定した計画を前倒しして2年目の取り組みを進めていくことになりました。

 現在、kintoneを活用したいという新規の相談が庁内での口コミで徐々に増えてきています。実際に業務が改善された事例を目にすることで、隣の芝生は青く見えるという効果が生まれているように思えるので、そこからkintone導入に繋げていくなど、この勢いを更に加速させて、次の年度にも継続させていきたいです。

 最終的には、新規採用職員にとって、改善された状態が当たり前という環境に変わっていくと嬉しいですね。



おわりに

キャンペーンも、残すところ1ヶ月となりました。今年度のキャンペーンを利用したことをきっかけに、更なる推進を目指されるとのこと、私たちとしては嬉しい限りです。

今回お話をお伺いした大阪市様におかれては、市独自の「kintoneずかん」を作成されることで、職員様一人一人が自らの業務に落とし込んで、kintoneの利用イメージが持てるような取り組みをされていました。私たちとしても、 kintoneの業務改善の幅の広さを再認識することができただけでなく、庁内展開、浸透の方法などがお伺いできて、大変勉強になりました。

サイボウズでは2024年度も「kintone1年間無料キャンペーン」を「キントーン1年間無料 自治体DX応援プログラム」に改称の上、更にバージョンアップして開催いたします。kintoneを活用したDXの推進を検討されている自治体の皆様は、ぜひ奮ってご応募ください。

キントーン1年間無料 「自治体DX応援プログラム」
所属する自治体の全職員でキントーンを1年間無料でご利用いただけるプログラム、2024年度のご応募がラストチャンスです。詳細は次のページをご覧ください。


今回、実際にお伺いすることが叶わず残念でしたが、来年度以降のkintoneの利活用の推進に当たって、引き続きご支援させていただけますと幸いです。

大阪市役所の皆さま、ご協力いただきありがとうございました!