サイボウズが、2023年5月より開始した「kintone1年間無料キャンペーン」。
参加いただいた自治体の一つである京都府舞鶴市様では、近隣市町村や市長を巻き込んだイベントを開催するなど、積極的な活動によりkintoneの利活用を推進されています。
kintoneの庁内展開の手法について、舞鶴市デジタル推進課の吉崎豊室長、齊藤勝太係長、谷直樹さんにお話を伺いました。
【舞鶴市のご紹介】
約7万7千人の人口を有し、職員数(総務省が公表する最新の「地方公共団体定員管理調査結果」に示されている、一般行政部門(一般管理+福祉関係)の職員数)約500人、天然の良港を持ち、軍港時代の歴史遺産なども豊富な日本海側屈指の港湾都市
左から谷さん、吉崎室長、齊藤係長
1. 「kintone1年間無料キャンペーン」参加の背景
前提として、本市におけるDX推進計画において、大きな方針として、職員数が減少しているという課題の中、窓口業務を減らし、より本質的な業務に注力していきたいと考えています。
そして、補助金やツールの先行導入により、仮説検証や目標設定などのプロセスが省略されがちで、思うような効果が得られないケースというのが散見されているところです。また、新しいシステムを導入しても、窓口や現場での「やらされ感」が強く、なかなか利用されないという実情があります。
そんな中、「kintone1年間無料キャンペーン」の告知を偶然見かけ、応募しました。kintoneの名前自体は知っていましたが、使ってみたのは今回のキャンペーンが初めてです。
使いやすいUIを持ち、テレビCMなどにより職員への認知度が高いkintoneを利用することで、内製化(自分たちで考えて作る)を可能とする職員の育成や風土づくりを目指すことができると考え、取り組みを進めました。
2. 「kintone1年間無料キャンペーン」、ここまでの取り組みと展開
キンゼミでは、介護認定業務の認定調査部分をアプリ化し、紙記入をさらにデータ入力する従来のやり方から、kintoneを用いてシステムに直接入力できる形式にすることで年間約1440時間の削減を見込んでいます。
さらに全庁的にアカウントを配布し、テストや試用を含む374個のアプリを作成しました(2024年1月25日時点)。特に全職員が利用する「公用車運行管理アプリ」は、導入後2か月で、ほぼ毎日使用されており、3000件を超えるレコード数に達しました。
キンゼミ
キャンペーン内でサイボウズが主催する、Web講座型のkintoneの学習コンテンツ
3.庁内展開を進められる上で、苦労されたポイント、及びそれに対する取り組み
上記の「公用車運行管理アプリ」が公開されるまでは、kintoneの使用率が伸びなくて苦労しましたが、11月から同アプリの運用を始めて、そこから原課にkintoneが爆発的に普及しました。このアプリは、全庁的に使う業務かつ、ワークフロー機能が便利だったのが普及の要因だったと思います。同アプリ公開後は、他アプリの利用も伸び、全職員がツールを半ば強制でも触ってみることの大切さを実感しました。アルコールチェック義務化のタイミングに併せて、12月からは運行管理をkintoneのみで行っています。将来的には、車検の管理もkintoneでやっていきたいと考えています。
デジタル推進課で各課に対する営業活動のようなものも行っています。市民の情報をどこまで入れていいかなどが整理できれば、さらに原課への浸透を促せると考えています。またキャンペーンの環境下で、財政部門も含めkintoneを全庁的に利用してもらっていたため、予算要求時に個別の説明などを詳細に求められず、工数を削減できたのもよかったです。こういった各部門を巻き込んで進めることもポイントだと感じました。
4.職員にデジタルツールの利用を促すにあたり、工夫している点
自分の仕事をスケッチさせることです。具体的には、業務可視化のために、業務フローを書いてもらっています。業務フロー図を本格的に作ることが目的ではないので、内容はシンプルな構成として、それを基に一緒に整理をしていくイメージで進めました。
相談はグループウェアで受けつけていて、原課から寄せられることが多いです。内容を確認して、その業務に適したツールを、kintoneに限らず勧めています。
また、職員とのコミュニケーションにおいては、前提としてわからないことは何でも聞いてほしいと伝え、アプリの作成について無理強いをせず、まずはすでにあるアプリを利用してもらうことを意識しています。
DXの推進に当たっては、職員だけでなく、私たちデジタル推進課も楽しんで使えるよう心掛けています。
5.キャンペーンに参加してよかったこと
kintoneには既に多数の自治体事例が存在していたため、デジタル推進課から担当課へのDX提案が容易でした。さらに、直感的な利用感で操作方法がわかりやすく、挫折する職員が少なかった点も大きなポイントです。また、豊富な学習素材が用意されていたため、興味がある職員が技能を伸ばす環境も整っていました。
また、本格導入に先立ち、課題の整理や使用感についての検討、職員の声を拾う工程を設けることができました。これによって、職員の意見を反映させた効果的な運用のルール作りが可能となりました。
6.サイボウズに期待すること
今後も引き続き、行政職員限定コミュニティ会員サイト「ガブキン」を継続していただきたいです。ガブキンは行政職員限定のコミュニティなので、行政機関ならではの共通認識があるため、相談時に前提知識を話す必要がない上、深い議論ができているので有り難いです。また、原課からの相談に対して、ガブキンの自治体kintoneずかんで事例を検索したりしているので、さらに事例やテンプレートも増えたら嬉しいです。
ガブキン
行政職員限定のキントーン公式ユーザーコミュニティ。自治体・省庁の職員であれば、キントーン導入有無に関わらずどなたでもご参加いただけます。詳細は次のページをご覧ください。
7.行政DXにおいて、課題に感じること、他の行政職員へのメッセージ
自治体をはじめとする様々なコミュニティで話を聞きましたが、職員間の温度差やリテラシーの差が生じてしまうのは、ある程度仕方がないとは思います。あと10年もすればデジタルネイティブ世代が主戦力となるため、併せて、業務もデジタルが主となることが予想されます。そのため、転換期でもある現在の職員には、自分で業務のやり方を考えて変えられるという経験も必要だと考えています。そこで、kintoneのようにノーコードでだれでも使いやすいツールを活用することで、アイデアが実装しやすくDXが進みやすいのではないでしょうか。
8.今後の計画について
詳細の運用ルールづくりやガバナンス、内部統制の強化、調達準備を進めたいと考えています。並行して、より職員の利用が増えるように策を練りたいです。また今後、自治体システム標準化の移行作業が進むにつれ、機能の保管的な部分にkintoneがどの程度活用できるか検証していきたいと思っています。
おわりに
キャンペーンも、残すところ1ヶ月を切りました。今年度のキャンペーンを通じて、1年間の効果検証ができたことにより、来年度以降のスムーズな導入に結びついたとの嬉しいお声も多数いただいております。kintoneの活用に悩まれている皆様や、さらなる推進を目指されている皆様にとって、推進の後押しとなれば幸いです。
今回お話をお伺いした舞鶴市様では、庁内のみならず、近隣自治体までも巻き込んでkintoneの利活用の機運を高められ、取り組みを推進されていました。インタビューの中で、行政職員へのメッセージとして、「積極的に、自ら改革に飛び込んでいってほしい」とお話しされていたのが印象的でした。チャレンジ精神や業務への取り組み方を含め、私たちも見習ってまいりたい所存です。
サイボウズでは2024年度も「kintone1年間無料キャンペーン」を「キントーン1年間無料 自治体DX応援プログラム」に改称の上、更にバージョンアップして開催いたします。kintoneを活用したDXの推進を検討されている自治体の皆様は、ぜひ奮ってご応募ください。
キントーン1年間無料 「自治体DX応援プログラム」
所属する自治体の全職員でキントーンを1年間無料でご利用いただけるプログラム、2024年度のご応募がラストチャンスです。詳細は次のページをご覧ください。
私たちがお伺いさせていただいた当日は、近隣自治体も参加するアプリ甲子園の開催日でした。こちらの様子も別途記事がございますので、ぜひご覧ください。
アプリ甲子園当日の様子
舞鶴市役所の皆さま、お忙しいところ、ご協力いただきありがとうございました!